MADLAX(2004)

 全26話。

 オリジナルアニメ。監督は真下耕一、制作はBee Train

 舞台は戦場、敵は情報犯罪組織と、『NOIR』に比べて血生臭く陰鬱な作風。随所に謎や伏線を散りばめた複雑かつ難解なストーリー、セカイ系的な世界観、強いメッセージ性、陰謀論めいた設定、古代文字や呪文といった厨二病な小道具、天然お嬢様やメイドといった確信犯な萌えキャラ達、そして乱立する百合フラグ等々、てんでばらばらな要素がこれでもかと過剰なまでに詰め込まれているにも拘らず、やはり落ち着いた雰囲気に纏まっているのは演出と音楽の為せる業か。

 前述のように本作では百合フラグをばんばん立てており、そこかしこで繰り広げられるいちゃいちゃやら一方通行やらをにやにや眺めて楽しむという仕様になっているのだが、そんな愛らしい登場人物達が終盤ばたばたと死んでしまうため、とてもやるせない心持ちにさせられる。特に、マドラックスが見逃したせいでリメルダにヴァネッサが撃ち殺されたのに、結局そのリメルダとくっ付いてしまうという展開には全く納得が行かなかった。ただ、第24話でエリノアの本質が示される場面を筆頭に見所が沢山あるのもまた事実、評価の難しいところである。

 一応、人間の本質は衝動か理性かという哲学的な主題を扱ってはいるのだが、基本的には深く考えず流れに身を任せて良いだろう。挿入歌「nowhere」、俗に言う「ヤンマーニ」の無双銃撃戦の映像的快楽で一点突破しており、そこを楽しめれば問題ない。そうした抜きん出た部分が多い反面、全体としてはとっ散らかり過ぎて総合的評価が低くなりがちな作品ではあるが、所謂「美少女ガンアクション三部作」の中では最高傑作と言っても良いのではないかと思う。百合が比較的薄いのが返す返すも残念。

[百合の分類]5(4)-S