百合の散歩道

一介の百合好きによるレビューブログ。

NOIR(2001)

 全26話。

 オリジナルアニメ。監督は真下耕一、制作はBee Train

 真下耕一の独特な間を取った演出と、梶浦由記の美麗な音楽が組み合わさった極上の雰囲気百合アニメ。ゆったりと落ち着いたテンポで、余計な説明を排して静かに淡々と進行する作りが特徴的だ。美少女が拳銃をぶっ放し無双するというご都合主義展開ではあれど、徹底的にやり切ることで洗練された様式美として昇華させている。

 舞台は裏社会、敵は秘密結社という重厚な設定は、ハードボイルドなガンアクションをやるにはうってつけだ。ソルダ内部における現実主義と原理主義の対立というのもいかにもありそうで説得力がある。物語の構造がすっきりしているお蔭で、あれこれ無駄なことを考えずに作品に入り込めるというわけだ。中途半端な小細工をしていない分、本筋が予定調和的にこぢんまりと纏まってしまい、裏稼業の非情さを描いた一話完結の話の方が見応えがあるというきらいはあるが、そこは演出と音楽の効果で充分に補えているだろう。むしろ、本作は「銃と少女」というテーマをいかに美しく見せるかという表現技法を追求したものであり、設定や脚本に難癖を付けるのは野暮というものである。

 見所は、バディものから三角関係へ発展する百合展開。最初はミレイユと霧香が暗殺者コンビ「ノワール」を結成し、少しずつパートナーとしてお互いを信頼し合うようになってゆくが、物語が進むにつれて霧香とクロエの二人が本来ノワールになるべき存在として育てられたということが明らかになる。この、せっかく夫婦になれたのに実は相手には本妻がいたんだ!という感じが実に百合である。欲を言うならば、クロエを更に掘り下げた上でミレイユや霧香に匹敵する程の可愛く魅力的なキャラクター造形にした方が、三角関係をもっと盛り上げることが出来たのではないか。

 一つひとつの要素の完成度が高く、観る者の期待を裏切らない。お洒落アニメの一つの到達点と言えよう。

[百合の分類]5(4)-S