咲-Saki- 阿知賀編 episode of side-A(2012)

 全16話。2009年放送のアニメ『咲-Saki-』の第2期。

 原作は小林立咲-Saki-』の外伝である、五十嵐あぐり作画の同名漫画。監督は小野学、制作はStudio五組

 原作『咲-Saki-』は単なる萌え漫画ではない。チームが一丸となって麻雀という名の異能バトルを戦い抜く、王道ド直球の熱血スポ魂なのだ。そのチームの団結力の源泉の一つとなっているのが、選手同士の百合である。あの子のため、みんなのためという想いが、少女たちを強くし、そして成長させる。燃えと萌えがふんだんに詰まった唯一無二の青春百合漫画なのである。

 本作にも分類で言えば絆系の百合描写が数多く見られる。旧友との再会、師のためのリベンジといった強い意志が物語を動かし、勝利への道筋を付ける。また、主人公側だけでなく対戦校の選手の心情や関係性もしっかり描いており、無尽蔵のカップリングで無限に百合妄想を膨らませてくれる。

 そして何よりも、第9~12話の全国大会準決勝第一試合先鋒戦が最高だ。立ちはだかる最強の敵を、チームメイトに託された思いを乗せて打ち破るという試合展開がとにかく熱い。特に千里山女子の園城寺怜の闘牌は涙なしには観られないだろう。この4話のためだけに全話鑑賞する価値はある。

 また、五十嵐あぐりではなく小林立の絵柄で映像化しており、漫画の単なるアニメ化に留まらずアニメとしての独自の存在価値を生み出している。効果的なメディアミックスという点からも評価できる作品である。不満な点があるとすれば、千里山女子のCVであるStylipSメンバーの関西弁はとても聞けたものではないのだが、OP曲「MIRACLE RUSH」「TSU・BA・SA」は素晴らしかったので許容範囲内としておこう。全国大会準決勝以降のアニメ化にも期待したい。

[百合の分類]5-SC