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百合の散歩道

一介の百合好きによるレビューブログ。

玄鉄絢『少女セクト』(2005)

全2巻。初出はコアマガジン『コミックメガストア』及び描き下ろし。 百合エロの最高峰。女子校百合という触れ込みからは想像も付かない程にがっつりエロシーン満載ではあるが、巷に溢れ返る成人男性向け作品のように奇乳で汁塗れということはなく、写実的で…

ストロベリー・パニック(2006)

全26話。 原作はメディアワークス『電撃G's magazine』の読者参加企画・公野櫻子「Strawberry Panic!」。監督は迫井政行、制作はマッドハウス。 聖ミアトル女学園、聖スピカ女学院、聖ル・リム女学校の3つの女子校と、3校共通の寄宿舎・いちご舎を舞台に繰り…

林家志弦『ストロベリーシェイク』(2015)

全1巻。初出はマガジン・マガジン『百合姉妹』、一迅社『コミック百合姫』他。『百合姫』移籍時に題名を『ストロベリーシェイクSweet』と改め、2006~2009年に全2巻が刊行。これを原題に戻し、描き下ろしを加えた新装版として集英社より発行された。 芸能界…

コダマナオコ『コキュートス 完全版』(2016)

中編2本、短編1本。初出は一迅社『コミック百合姫』他。2014年に刊行されたA5判の旧版に未収録作品を加え、B6判の完全版として改めて発行された。 『百合姫Wildrose』Vol.7で発表された読切「思春期メディカル」が追加されたことで、旧版に比べて作品集とし…

志村貴子『青い花』(2006)

全8巻。初出は太田出版『マンガ・エロティクス・エフ』及び描き下ろし。 百合漫画界に燦然と輝く古典的傑作。主軸に据えられるのは女子高生2人の恋愛だが、周辺の人物のヘテロ含む恋模様も等身大に描き込まれ、美しく繊細な青春群像劇に仕上がっている。胸が…

仙石寛子『三日月の蜜』(2010)

中編1本、短編11本。初出は芳文社『まんがホーム』他。 百合に限らず、異性愛、近親愛、人外など、一風変わった恋愛や恋愛未満の微妙な距離感を丁寧に描く。4コマ漫画の形式を取ってはいるが、4コマ毎に起承転結がきっかりあるわけではなく、単にコマが4つず…

さかもと麻乃『沼、暗闇、夜の森』(2013)

短編7本。初出は一迅社『コミック百合姫』及び描き下ろし。 どれも癖のある話で、普通から少しズレてはいても百合としての楽しみを踏み外さない。明と暗のバランスも良く、作者の豊かな感性と引き出しの多さに舌を巻くこと請け合いだ。 冒頭の「魔少女」から…

天野しゅにんた『私の世界を構成する塵のような何か。』(2012)

全3巻。初出は一迅社『コミック百合姫』及び描き下ろし。 女子大生7人の青春群像劇。複雑に入り乱れた人間関係を飄々と描き出し、ドロドロ百合ながら非常に洗練された印象を受ける。それぞれの個性をしっかり掘り下げ、綺麗事や安易な解決に頼ることなく恋愛…

ユリ熊嵐(2015)

全12話。 オリジナルアニメ。監督は幾原邦彦、制作はSILVER LINK.。キャラクター原案は前回記事を書いた『瑠璃色の夢』の著者・森島明子。 「スキを諦めなければ世界は変わる」という主張は過去作と通底する。世界観は『ピングドラム』から更に進展し、何者…

森島明子『瑠璃色の夢』(2009)

短編7本。初出は一迅社『コミック百合姫』及び描き下ろし。 社会人百合の名手による珠玉の短編集。ふんわりと丸っこい絵柄で、明るくほのぼのとした作風が特徴。どの女性も可愛く人間味に溢れており、彼女達の甘く幸せな恋を見ているだけでほっこりする。身…

輪るピングドラム(2011)

全24話。 オリジナルアニメ。監督は幾原邦彦、制作はBrain's Base。 「愛も罪も分け合って運命を乗り換える」という発想は基本的に『ウテナ』から引き継がれたもの。ただ物語の構造はやや複雑になり、主題も世界からの脱出よりは小さな共同体の防衛という色…

森永みるく『GIRL FRIENDS』(2008)

全5巻。初出は双葉社『コミックハイ!』他。 少女漫画系ガール・ミーツ・ガールの金字塔。女子高生まりとあっこの初々しく瑞々しい恋模様を描く。奇を衒わず堅実に積み上げてゆく王道の展開はいっそ素朴とも言えるが、画面は贅沢なまでに女の子の可愛らしさ…

少女革命ウテナ(1997)

全39話、映画1本。 オリジナルアニメ。監督は幾原邦彦、制作はJ.C.STAFF。 本作に限らず幾原作品は難解だと言われることが多いが、ストーリー自体は割合に単純だ。それを難しく見せているのはシュールな演劇調の演出であり、真に難解なのは幾重にも張り巡ら…

秋山はる『オクターヴ』(2008)

全6巻。初出は講談社『アフタヌーン』。 社会人女性同士のカップルを写実的に描いた力作。恋愛を一切理想化せず、嫉妬、依存、承認欲求、自己嫌悪、未熟さゆえの諍いや擦れ違い、そして同性愛ならではの周囲の無理解など、とことん生々しく痛々しい展開が続…

袴田めら『新装版 最後の制服』(2011)

全2巻。初出は芳文社『まんがタイムきららキャロット』『まんがタイムきららMAX』及び描き下ろし。2005~06年に刊行された全3巻をまとめ直し、つぼみシリーズにて改めて発行された。 萌え系の可愛らしい絵柄に騙されてはいけない。女子高の学園寮で群像劇と…

井村瑛『最低女神』(2012)

短編7本。初出は一迅社『コミック百合姫』、他に未発表作や描き下ろし等。 柔らかな描線でふんわりとした可愛らしい女の子と、暗い感情が渦巻き翳のある人間模様の取り合わせが味わい深い。重めの設定が多く胸を締め付けられながらも、極端に殺伐とすること…

コダマナオコ『コキュートス』(2014)

中編2本。初出は一迅社『コミック百合姫』及び描き下ろし。 登場人物の心の声を丁寧に拾ってゆき、気持ちや関係性がじわじわと変化してゆく様を鋭くシリアスに描いている。特に、冷たい表情や目線の描画に凄味があって、思わずぞくりとさせられる。 表題作は…

百乃モト『宝石のようなもの』(2016)

短編11本。商業・同人から再録した同人誌。 少女漫画的な繊細なタッチの絵柄で、揺れ動く感情を丁寧に描き出している。切ない片想いが多く、両想いでも両者の擦れ違いやぶつかり合いをしっかり見せてくれる。学生百合だけでなく作者の得意とする社会人百合も…